sisosuseのブログ

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ジョジョリオン感想─東方家の呪いについて─

ジョジョリオン最終巻、読みました。まあ、、首飾りをかけた赤ちゃんとか壁の目については結局分からず終い。物語を思い出してみてもスタジアムに行くとか行かないとか、学校に行くとか行かないとか、矛盾だけを残していったカレラとか、色々ととっ散らかった印象は拭えません。ですがやっぱり最後は綺麗に締めてくれました、、荒木先生にはお疲れ様でしたと言いたいです。今回はその締めの部分、「全ての呪いが解けるとき」について思ったことを書いていこうと思います。(第9部:ジョジョランズ?とランズとつくあたり、次で壁の目とかについて言及があるかもしれませんね、楽しみです)

 

さて、「全ての」呪いが解けるといっているのですから、そこに呪いは複数あったと捉えるのが自然でしょう。ではどんな呪いが誰にかけられていたのでしょうか。定助や東方家、康穂などの登場人物がいますが、今回は東方家に焦点を当てようと思います。

 

東方家にかけられた呪い、一つにはつるぎの石化病があるでしょう。最終27巻で花都がカードからつるぎを取り出す際に、それを「家族の呪い」と表現しています。実際、石化病を治すことはジョジョリオンの主題の一つだといえます。常敏も憲助も手段は違えど、その目的は一致していました。

 

その病を治すには、誰かが生贄にならなければなりません。4代目憲助の時はその母親が、常敏の時は花都によってサマーキャンプの男の子が交換されました。つるぎの病もまた、花都が透龍君になすりつけることで解かれましたね。

 

しかし花都の言う「家族の呪い」とは単に石化病だけのことを指すのでしょうか。石化病が東方家にもたらしたものは、つるぎの苦しみだけではありません。つるぎの前は常敏がその病にかかり、それを助けようと花都は殺人を犯してしまいます。それが憲助と花都・常敏の仲に深い溝を生む元ともなりました。「家族の呪い」とはそうした家族の分裂も含んでいるのではないでしょうか。

 

家族の分裂、それは憲助と常敏との対立だけではありません。同じ家族だというのに、石化病をめぐる争いに一向に関わらない大弥や鳩、常秀。そこにははっきりとではないけれども何か心の壁があるような気がします。言い換えれば「個人」の尊重でしょうか、、家族の分裂もまた「家族の呪い」と言ってもいいと思います。上の3人がストーリーに絡んでこないのは、実はこうした荒木先生の意図があったのかもしれません、、花都の「家族の呪い」発言はこうしたストーリー全体を俯瞰した、ある種のメタ発言とも捉えられそうです。(、、少し無理がありますかね)

 

さて、この分裂(呪い)も最後には修復された(解かれた)ようです。27巻最後の1コマがそれを表しています。そこには定助を迎え入れた東方家が一つのテーブルを囲って憲助のために、そして新しい家族のためにケーキを選ぶ家族の姿が描かれていました。呪いが解かれてマイナスからプラスへ、払った代償は大きいけれども、東方家は一歩踏み出したのです。

 

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